熊本地震
復興への取り組み
平成28年4月、「熊本地震」という未曾有の災害を経験した私たち。熊本の復興を祈願し、なにかできることはないか…。地震直後からさまざまな「祈りの形」を模索してきました。当苑と、管理母体である本蔵院がともに取り組んできた、地震後の活動についてまとめました。
今、熊本に祈る「百螺祈願」
熊本地震で大きく傷ついた「熊本城」そして「阿蘇神社」。県民のシンボルでもあるこの歴史的建造物への復興の祈りを込めた「百螺祈願」を、平成28年11月に執り行いました。
これは、加藤清正が熊本城を建てる際、山伏を招いて築城の無事を祈ったという故事にならい、醍醐派の青年僧侶約100名を、清正公を主祭神とする加藤神社に集結、地鎮祈祷を行ったもの。同様に、阿蘇神社においても祈念法要を厳修。響き渡る法螺貝の音は、熊本地震への復興の祈りを天に轟かせるようでした。
さらに、本蔵院の総本山・京都醍醐寺から、豊臣秀吉ゆかりの「醍醐の桜」のクローン桜を譲り受け、阿蘇神社・加藤神社・菩提樹苑に植樹。熊本復興のシンボルとして、各所で大きく成長しています。
子どもたちが、祈り、歩く「さくら祈願」
地震発生から約1年となる、平成29年4月から執り行われたのが子どもたちによる「さくら祈願」です。平成31年春の「第3回さくら祈願」まで続きました。
前年の「百螺祈願」にならい、子どもたちが加藤神社と阿蘇神社へ赴く巡礼の旅。阿蘇神社・加藤神社ならびに菩提樹苑に植樹された3本の「醍醐の桜」に、阿蘇・国造神社の「手野の名水」を洒水(水やり)して熊本地震への復興を祈りました。そろいの「子ども山伏」姿で各所を参拝、熊本の復興への歩みをその目に焼き付けました。
祈りを込めた「復興の鐘」建立
当苑に植樹された「醍醐の桜」横には、熊本地震一周忌に合わせ「鐘楼堂」が建立されました。これは、熊本地震からの復興を願ったもの。鐘は自由に撞くことができ、荘厳な音を響かせてくれます。
鐘楼堂の前にはスペースがあり、「鐘楼堂広場」として菩提樹苑や本蔵院の法要・行事の会場にもなっています。8月の本蔵院「盂蘭盆会万灯供養」や、大晦日の「除夜の鐘」など、多くの方が集まる場所です。
当苑で最も眺めのよい場所に設置された鐘。響き渡る音は、熊本城はもとより阿蘇の山々まで届き、未来へと復興の想いをつないでいくことでしょう。
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